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電子ブックリーダーの現状

電子ブックリーダーとは、データ化された文書ファイルを読むことに特化したハードウェアです。現在アメリカで最も流通している電子ブックリーダーがAmazon製のKindleなのですが、今回のKindle
DXはその名の通り9.7インチと現行モデルB5に近いサイズで、PDFファイルの閲覧も可能になるなど、使い勝手が増したバージョンアップとなりました。

Amazon.comの新電子書籍リーダー「Kindle DX」,画面大型化とPDF文書対応:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090507/329577

日本での電子ブックリーダー現状

Kindleは、非公式なデータながら、昨年8月の段階で24万台を売り上げているそうです。またAmazonジェフ・ベゾスCEOが2009年1~3月期決算時に「Kindleの売り上げは予想以上」と発表していることからも、売上は概ね好調であるようです。
アマゾンの電子ブックリーダーKindle、累計24万台を販売?
http://japanese.engadget.com/2008/08/02/kindle-240k/
Kindle好調、Amazonが不況の中で健闘 – ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/24/news033.html
とは言ってもこのKindle、日本では未発売となっています。なぜ日本での販売がなされないかはいろいろな説がありますが、ソニーの「LIBRIe」(リブリエ)、松下の「ΣBook」や「Words
Gear」といった国内メーカーの電子ブックリーダは2008年に生産が打ち切られ、事実上撤退していることもあり、日本での電子ブックリーダー市場の苦境が要因のひとつでもあるようです。
電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 – ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/01/news122.html

なぜ日本で電子ブックリーダーが受け入れられなかったか

日本で電子ブックリーダーが普及しなかった一番の原因は、提供コンテンツの少なさであったと言われています。
Kindle Storeでは、Kindleが発表された時には9万タイトル、2009年5月現在では約27万5000タイトルの書籍がそろっています。対して、ソニーの「LIBRIe」向けに電子書籍を配信していたサイト「TimebookTown」では、提供される書籍数が十分ではなかったようで、正確な数はわかりませんが、サービス終了時で提供されていたのは1万タイトル前後だったと思われます。
もうひとつが携帯電話での電子書籍市場の拡大です。
2007年度の電子書籍市場規模は355億円といわれており、そのうちの7割が携帯電話向けのコンテンツであったそうです。また「ケータイ小説」というフォーマットが社会現象にもなったことからもわかるように、携帯電話から長文テキストを読むということが日本社会では日常的になりつつあり、そこであえてブックリーダーという別の端末を持ち歩く必要性があまり感じられなかったのだと思われます。
2007年度の電子書籍市場は355億円に倍増、ケータイが7割占める
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/09/20203.html

ハードでなくソフトとして

現在では、電車内でiPhoneやニンテンドーDSといった端末で読書する人も見かけます。iPhoneでは青空文庫(著作権が消滅した文学作品を収集・公開しているインターネット上の電子図書館)の小説が読めるブックリーダーアプリが数多く公開され、ニンテンドーDSでは「DS文学全集」といった、これも青空文庫で公開されている小説を読むことのできるソフトが発売されています。「DS文学全集」は20万本を超える売り上げを記録しており、こういったブックリーダーは、ソフトウェアとしては消費者に受け入れられているようです。
こうした現状を考えると、電子ブックリーダー自体の潜在的なニーズがあることは否定できないでしょう。今後、携帯性に優れ、十分なコンテンツを購読できる電子ブックリーダーが登場すれば、日本市場においても広く支持を集めることができるのではないかと思います。