携帯からの反応がPCの3倍強。双方向のコミュニケーションを頻度よく

【価格訴求とインターネット】
流通業界全体が低迷する中で、価格路線での販促が今期目立ちます。最近あるSCに買物に行った際に会計をした後にクーポンを発行している事に気づき、がっかりした経験があります。どちらか迷っている場合など特にプラスアルファの特典がある方を選択してしまうという消費者心理には確かに納得です。
ただその時、一消費者として非常に不満に感じたことが別にありました。駐車待ちしながらモバイルサイトをチェックした時にはクーポンが掲載されておらず、店頭のクーポンイベント告知もありませんでした。しかし店頭ではクーポンの冊子が置かれ、広場では引き伸ばしたクーポンが張り出されており・・この連携のなさはクレームを言われないまでも、せっかくの販促を活かしきれていないと残念に思われました。
メディアごとに「提供するサービス」が違うという事は、最も避けなければならない事です。
「お買得」とは言っても消費者の方が、提供側よりおトクに敏感で、情報収集力に長けています。商品や価格の「比較」、「口コミ」による検討をして挙句の果てにはネット通販で購入してしまうなど消費スタイルも多様化しています。「ただ安いだけ(割安感だけ)」では購買促進にならないのが現実です。
実際ネットを使ってあらゆるECサイトを比較・検討すれば、「最安値」を見つけることは簡単です。
【インターネットで他店との差別化を図る】
しかし割安感がある上に、何か他にはない特長がある、ともなると消費者としては断然その店舗に足が向くに違いありません。ユニクロやしまむらが前年をプラスしているのも、低価格だけで片付けられないコンセプトや戦略が消費者にとって似たような他店との差別化になっているからであり、充実したネットの通販があるユニクロでも店頭にお客さまを引き付けています。
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価格だけでない他店との差別化というと 一朝一夕にはできないことですが、双方向性のある媒体としてネットをうまく使う事で、消費者とのコミュニケーションを取るなど販促を盛り上げ、自店をアピールすることができます。
【双方向に、タイムリーに・・顧客との密なコミュニケーションを頻度よく】
そこでネットを使ったコミュニケーションの一例として、現在進行中のネットイベントをご紹介します。
あるイベントの事前PRとして、PC・携帯のホームページ、メルマガでイベントに対しての「投票&みんなのコメント募集」を行いました。開封してみると、コメントの書き込みの多さ、その質の高さに驚かされました。
なぜなら、メールマガジンからの反応は「携帯メルマガ」からが「PCメルマガ」の3倍以上、投稿も約8割がモバイルからであり、あの小さな画面(携帯電話の)で片手で入力する手間を考えると投稿していただいた方々に敬意を表したいくらいの内容です。開始前の動作テストでコメントを書くのに四苦八苦していた自分が恥ずかしいくらいです。
実はこの試みはもう数年目になりますが、今回は現在のところ投票・投稿数は3倍以上の伸びとなっています。メールマガジンを受信している会員数もやはり3倍以上になっており、会員を多く持つことにより、メルマガをフックにしてこれらのネット販促はさらに効果的になるということが分かりました。
また同時に、強調したいのが「ネット通販やSNSでなくても、モバイルは活かせる!使ってもらえる」という点です。
これまでは、「ホームページ」「メールマガジン」「ネット広告」が主なネット販促でしたが、先の2つの場合特に、見に来てもらわないと効果がない、紙媒体と比較してビジュアルのインパクトに欠けるなどのマイナス面はあります。しかし実店舗への来店促進には、来店客に自社(ブランド)の存在や特長をアピールしていくことが大事であり、ネットで頻度よく、リアルタイムにかつ低コストに・・来店客PRツールとしてもっとタイムリーで双方向な試みにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。