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五反田のラーメン

その店に客はいなかった。
学生バイトのような青年が一人、ポツネンと厨房に佇んでいる。店選びを間違ったかな・・・と思いつつ、なんとなく直感でワンタン麺を注文した。店内にはJAZZが流れていたと思う。彼がラーメンを作る間は、手持無沙汰なので、一挙手一投足をじーっと見ることになる。その手際良さに見とれた。・・・この店は青年の主戦場なのだ。ここのラーメンは彼のオリジナルなのだろう。
目の前に出されたワンタン麺のスープをひとくち飲んでみる。うまい!さらにワンタンが大きく、肉汁がピンク色でジューシーなのだ。こんなに美味しいワンタンを食べたのは初めてのような気がする。麺もコシがあって骨太な食感。いいですね~(*⌒-⌒*)
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私が食べている間、今度は青年が身体中の神経を張り巡らせて、こちらの食べっぷりを伺っている。1対1の勝負を挑む孤武士のようだ。この大都会で、自分の作ったラーメン一杯で勝負しているんだという気迫が感じられる。
「旨い!」を伝えたくて、スープを飲みほした。それでも足りず、お勘定を払う時に「美味しいです。おいしいですヨ」と声をかけた。
緊張していた青年の顔に照れ笑いが浮かんだ。「ありがとうございます」と小声でささやく。また来たいと思った。
あれから半年後、今日は長いなが~い一日だった。大崎で打合せが終わりビルの外へ出た時は、夜の11:11。そういえば、お昼から何も食べていない。このまま空腹を引き摺って帰る気にもなれず、何か食べたいと思った。そうだ!あの五反田へ行き、青年の作ったラーメンを食べて1日を終いたいと思った。タクシーを跳ばして店を探し、やっぱりワンタン麺を注文。満腹になって店を出ると時刻は、11:55。ギリギリ間に合った。今日1日を一杯のラーメンで救われ、不夜城と化した五反田を後にした。