篤姫ブーム

昨日は今開催されている「篤姫」展を観に、江戸東京博物館へ出かけた。巷でブームになっているだけだって、会場は人だかりでなかなかゆっくり展示物を見れない程の混みようだ。幕末に登場する女性では皇女和宮さんが有名だが、私も殆ど徳川家定御台所の篤姫のことは知らなかった。今年から始まったNHKの大河ドラマが、新鮮な若手2人の好演に加え、ベテラン陣が脇を固め見ごたえのありドラマに仕上がっているのもあるだろうし、何と言って素材としての新鮮さがある。そして知れば知る程、幕末の激変の時代をかくも凛として生ききった一人の女性の静謐な生き様が、現代人を揺さぶる魅力があるからだろう。
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私が特に観たかったのは、篤姫直筆の書簡である。ふところの大きい優雅な書風は生前の篤姫の人物を物語るようで、素晴らしい!。特に勅旨を戴きに京都へ出むいた家茂宛に宛てた文は、文字の大小で家茂を想う篤姫の心持ちが顕れていて、涙を誘う。虚弱と伝えられている家定の水墨画も展示されていて、その画技の素晴らしさに感性の鋭さを伺わせる。歴史とは分からないものだ。