アーヴィング・ペン写真展へ
「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展が、9月16日から開催されている。facebookで見つけ昨日行ってみた。
1987年から99年までの三宅一生とアーヴィング・ペン、そして田中一光とのコラボレーションによって生まれたポスターを公開した展示会だ。
「アーヴィング・ペン」と聞いただけで、その時代の「光」が甦る。特に面白かったのはアーヴィング・ペンのデッサン画。パリコレの後、NYの事務所に送られた洋服を見て、この洋服をこういう風に撮りたいと描いたイメージ画。私から見れば、雲をつかむような抽象的な線にしか見えないが、これを手がかりにヘアやメイクを担当するスペシャリストが具象化し、アーヴィング・ペンが撮る。そのスタジオの空気を想像するだけでも、緊張感やテレパシーの交換による作業が想像されて実に興味深い。
その後、撮影した写真は日本へ送られ、田中一光氏がデザインとタイポグラフィーを作成してポスターに仕上げる。これまさに「神の配置」としか思えないcreativityで、時代の空気を作り上げていきます。
すでにアーヴィング・ペンも田中一光も故人となった今だからこそ、開催できる展示会なんでしょうね。
彼らの訴求相手は、宇宙人だったのかもしれません。
強烈な個性のプロ同士が、格闘することによって滑走した80年代をご覧ください。2012.4.8まで開催。