アジアSC事情☆バンコク&シドニー
1)タイ・バンコクSC事情
夏季休暇を利用してタイに旅行してきましたコマース浅生です。
中でもタイの首都バンコクにあるショッピングセンター「アイコンサイアム」と「センターワールド」は日本にはないダイナミックさとエンターテインメント性に、とても心躍る視察になりました。
■アイコンサイアム
営業時間 | 10:00~22:00 |
場所 | 299 Charoen Nakhon Soi 5 , Charoen Nakhon Road, Khlong Ton Sai Sub District, Khlong San District, Bangkok 10600 |
店舗数 | 約440店舗 |
普通に地上からアクセスもできますが、チャオプラヤー川の観光船に乗ってアクセスする事もできるユニークな超巨大ショッピングセンターです。
地下2階~地上10階まであり、屋上の方はテラスとなっていてバンコクを一望できます。SCというより建物自体がエンタメ的。
観光船から見える外観は、まるで豪華客船のようで強烈なインパクトがあります。
館内もとてもエンターテインメント性にあふれています。内装がとてもゴージャスで、まさに「映え」内装や仕掛けに重点をおいている印象でした。
天井がとても高く開放的で、1店舗あたりの敷地面積が広く、日本のコンパクトな施設構成とは違い、スケールの大きさに圧倒されました。
1Fにフードゾーンがあるのですが、ナイトマーケットの雰囲気を意識した構成になっており館内にいながら出店が楽しめるタイらしいフードゾーン。
店舗数やメニューも豊富で、実際にナイトマーケットにいるような体験ができます。ナイトマーケットは開催曜日が決まっているので、観光のスケジュールが合わなくてもこの施設に寄れば体験できます。
バンコクへ観光に行く際は、観光船を利用した移動もすると思うので、ぜひ立ち寄ってほしいと思います。
■セントラルワールド
営業時間 | 10:00~22:00 |
場所 | 4, 4/1-2, 4/4 Rajdamri Road, Bangkok 10330 |
店舗数 | 約520店舗 |
店舗数500店以上の超々巨大ショッピングセンター。地上1~7階まであり延べ床面積は55万㎡だそうです。バンコクの中心地にあります。
BTS(スカイトレイン)スクンビット線チットロム駅からスカイウォークで直結していてアクセスもしやすく、すぐ近くにタイの最強パワースポットと名高い「エラワンの祠」もあります。
とても観光のついでに見るような施設ではなく、この施設に視察するために時間を設ける必要がある程大きいです。
外壁には巨大なデジタルサイネージが設置しており、放映されている映像と規模には、日本にはないダイナミックさとデジタル先進性に驚愕しました。
ハイブランドはもちろんですが、アメリカの有名レストランチェーン「チーズケーキファクトリー」が東南アジア初出店していたり、話題性のあるショップが数多く出店していました。店舗構成は1Fがハイブランド、2~5Fがファッションや雑貨店、6~7Fがレストランゾーンといった構成で、とにかく広くて大きい商業施設なので圧巻です。時間に余裕をもって見に行くことをオススメします!
バンコクの中心地にはたくさんの商業施設が集積しています。
セントラルワールドの向かいにある「ビッグC」という商業施設には、お土産特化型のスーパーが入っており、たくさんの外国人観光客でにぎわっています。
私もここでお土産をたくさん買いました。マンゴーグミ、ヤードム(嗅ぎ薬)がオススメです!
海外のSCを視察していると初体験のゾーン構成や切り口があり、日本のSCになかったポテンシャルに気付きます。外国人向けのマーケットはまだまだ可能性があると思いました。
普段、海外旅行をしないので終始日本との違いに驚きっぱなしの夏季休暇でした。今後も海外に行ける機会があれば、その国のショッピングセンターの視察をして紹介できればと思います!
2)シドニー(豪州)ショッピング事情
夏休み休暇で行ったシドニーは、人口の約20%が居住するオーストラリア最大の都市。美しいハーバーとオペラハウス(世界遺産)が有名で多くの観光客で賑わっています。
多文化主義政策へと変遷を遂げたオーストラリアの日常は多様性に富み、各国の文化を尊重するダイバーシティのモデル国としても注目されています。地元の人達は、「移民を受け入れているので、インフレが続き物価が高い」と嘆いていましたが、たしかに物価が高いので驚きました。日本は安いを実感!
諸物価が高騰して日々の生活に支障が出ていますが、それでもシドニーと比べれば物価は安く、ある意味ショッピング天国だと思いました。何故日本に来る外国人がユニクロで買い物しているのか、不思議に思っていましたがシドニーに来て解ったような気がします。
ユニクロシドニー店ではTシャツ1枚約2,000円
買い物視点でみるとメインストリートは、ほぼラグジュアリーブランドが1等地を占め、どこの国でも同質化されています。これはシドニーだけでなく世界各地で見られる現象だと思います。その中でシドニーらしいSCが「クイーン・ヴィクトリア・ビルディング」。英国植民地の影響が残る19世紀のロマネスク・リヴァイヴァル様式の歴史的建築物で風格があります。地上4階から地下2階まであり、有名ブランド店、ジュエリーショップ、ブティック、カフェやレストランなどシドニー随一のショップが出店しています。
他にもウェストフィールド、ピットストリートモールなど多国籍の人々が利用するモールが集積する市内中心部は活気があります。グレード別にSCがあって、利用者の国別にSCが分かれているようにも感じましたが、アジア経済圏(RCEP)の縮図をみるような感じで面白いです。テナントはZARAやH&Mなどおなじみのブランドが出店しているので、新鮮味には欠けますがメインストリートの角地など1等地に空き区画が目立つのも同質化現象がみられました。
地元の人達は、どこで買い物してるんだろう・・とあれこれヒアリングしてたら、フリマが毎日複数個所で開催されていて、活況でした。
オーストラリアは、世界で最もバリスタが多い国。コーヒーやワインなど地元名産品がたくさんあるので”食”は楽しいのですが、物価が高いので質素倹約が染みついてしまいます。地元に暮らす人たちは尚更のことと思います。
売店で買ったコーヒーとサンドイッチ(写真)で2,000円位
今回の視察で一番印象に残ったのは、グローバル、DX、キャッシュレスが同次元で進んでいる世界観。買い物もそうですが、バスや電車交通機関を利用する等全ての利用はクレジットカードでタッチ式支払いで済むので凄く便利です。(クレジットカードはvisa,アメックス、マスター3種)
特に素晴らしいと感じたのは、運河の活用。水上公共交通機関が充実しており、電車、バス、ライトレール、メトロなど市内郊外ともにインフラが整っていますが、船は5分~10分間隔で出航しているので、時刻表に合わせて行動する必要もなくタッチ式支払いですぐ乗れるのと、目的地へ速く、安く移動できる手段として凄く便利!
上写真はハーバーブリッジ(1.1Km)ですが、川向こうは閑静な住宅街です。長い橋は歩いても渡れるので観光名所になっていますが、帰りは頻繁に発着している船で5分。乗船には予約も不要、タッチ式支払いでスイスイ♪。朝夕の出勤に船を利用している人が多く、夕焼けや日の出を観ながら出勤できるなんて羨ましい環境です。
東京でも「運河ルネサンス」や「インナーハーバー計画」などが運河の活用が検討されていますが、ぜひ実現して欲しいものです。どこでもいつでも誰でも利用できるダイバーシティのインフラはとても「人」にやさしい。
グローバル化が進むとカルチャーや商業施設、消費行動やトレンド情報も同質化していくことを今回の視察で感じました。それにキャッシュレスで不自由なく行動できるので海外旅行前の換金も不要。現金は使わなくて済みました。Googleさえ使えれば言葉の障害や知らない街歩きも買い物も日本にいる時と同じように感覚で過ごせるので、この星は「地球」というより「Google earth」と呼んだ方が自然なのでは・・と思います(笑)
「”ダイバーシティ”というのは、一番ゆっくりな人に合わせるんですよ」と説明していたツアーガイドさんの言葉が印象的でした。Simple is Best ですね♪