1枚のポストカード
本屋さんのコーナーに「星野道夫」さんのコーナーがあって、値札の付いていないポストカードが沢山おいてあった。
値札がついていなかったので、持って行っていいのかと思って見ていたら、その写真の素晴らしさに「タダ」のはずはないことに気付く。念のため店員さんにいくらですか?と聞いてみると、
「1枚100円です」(やっぱり・・・)
仕事柄、葉書の印刷原価は分かるので、一瞬高いと思ったが、その1枚が選べない。星野さんのポストカードを高いとか安いとか思った自分が恥ずかしくなる。あの人にも送ろう、あの人にも見せたいなどと思って選んでみると結局、15~6枚位購入しただろうか?それと写真家だから写真集を見ればいいのだが、どんな人なんだろうと興味をもって、エッセイ集「旅をする木」を買って読んでみた。
恥ずかしい話だが、私はあまり「星野道夫」さんという写真家のことを私は知らなかった。千葉県生まれであること、アラスカに住んで白熊や北極の写真を撮っている人であるということ、熊に襲われるという事故ですでに他界している人であるらしい事位だ。
あたり前の話だが、どんな境遇であれどんな人種であれ、私たちは「1人の父と1人の母」から生まれる。だが、たま~に100年間に何人かは、自然の大地や空からなる「天宙」が生を授け、この世に遣わしたような「人」がいるような気がする。星野道夫さんはまさにそういう人だと思う。同じ時代に同じ地球で味わうことができる「幸せ」を私たちに見せてくれて、見ている人をさらに「幸せ」にしてくれるという意味で・・・、その恩寵は計り知れない。