強さの秘密

クリスマス商戦のこの時期に、地下鉄のホームに、ポスターが貼られていない広告枠がいくつも目につき、電車内広告にも空きが目立つ。これまでにこんな風景はなかったと記憶する。過去に例を見ない景気悪化の現象が、あちこちで露呈されてきて、背筋の寒くなる年の瀬を迎えている。
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流通業界も消費低迷の影響を受けて、昨対比を超える売り上げを確保しているSCが希少になりつつある。そんな中で先日、ある勉強会で東京郊外にあるSCの営業活動について聞く機会があり、印象深かった。
そのSCではテナントの店長とデベロッパーの担当者が一人づつペアになって、商圏内のお客さま宅を訪問しているそうだ。この活動は2004年からスタートして毎年継続されているという。商圏内のお客様のニーズや消費傾向が如実に分かるという利点の他に、テナントとデベロッパー側の絆が深まるという利点も上げておられた。
「日々発見」をスタッフ全員で共有しているSCなら、生活者のニーズや動向と乖離していくような事はないはずだ。専門店の集合体であるSCのマーケティングにふさわしい営業活動だと思う。やはり「強さ」には表面上では見えない努力がありますね。