忘れられない記念旅☆彡
猛暑と台風10号からエスケープするようにオーストラリアのシドニーへ行ってきました。エアとホテルだけ予約して、あとは現地へ着いてから考える気ままな一人旅。シドニーの季節は晩冬なので、クーラー要らずの快適な気候と大らかなオージー達のおかげで、リラックスしてバッテリーは満タン。コマース鈴木です。
シドニーは初めてで予備知識がなく、なんとなく「星が見たいな」「オペラハウスで何か観劇できたらいいな」・・と、現地で探してみたら星空ツアーとオペラハウスの観劇チケットを取ることができました。何時見ても美しいオペラハウスを眺めながら休暇を過ごす。これだけでも十分だったのですが、今回は忘れられない2つの出会いに恵まれ、記念に残しておきたいと思います。
1)サラ・ブライトマンの奇跡
世界文化遺産のオペラハウスでサラ・ブライトマン主演のミュージカル「サンセット・ブルバード」を観る。なんという幸運☆彡
オペラハウスは、2007年に世界文化遺産に登録された近代建築物です。デンマーク人の建築家ヨーン・ウツソンによって設計されたもので、シドニーのランドマークとして有名。近代建築でこれだけの人々を惹きつける建物はあるだろうかと思う程、何時見てもどの角度から見ても美しい建物でした。せっかくシドニーに来たのだからオペラハウスで何か観劇したいと思い、演目も調べずにメインホールで公演されているチケットをゲット!
会場はなんと!「ジョーン・サザランド(Joan A Sutherland)シアター」というメインホール。幻覚をみているのかとちょっと混乱しましたが、彼女はここシドニーの出身だったんですね。私が一番好きなソプラノ歌手です。1926年生まれの人なので生声を聴いたことはなく残念すが、こんな処で出会うとは。神さまの采配・・( ;∀;)
さて、その「ジョーン・サザランド シアター」で私は何を観るんだろうと思ってググってみたら、サラ・ブライトマン主演のミュージカル『サンセット大通り』!?
まさかあのサラ・ブライトマン?(生きてたの?が正直な感想スミマセン)
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」のヒットで覚えてる方も多いと思いますが、1980-90年時代にミュージカル歌手として最も活躍した歌手で、何回か私も日本公演を聴いたことがあります。ソプラノ歌手としてオペラに挑んでいた苦しい舞台も観ていました。失礼ながらもう引退されたか、亡くなったかと勝手に思っていたのですが、彼女にとって30年ぶりの劇場出演となるそうです。なんという偶然に遭遇したんでしょう♪
客席は満席。サラ・ブライトマンを知っている世代の方が多かったんですが、最初のソロを歌い上げた瞬間、劇場は大喝采の渦に巻込まれました。その歌声の清らかさと透明感に誰もが驚愕したはず。後で調べたらサラ64歳。ベテランのテクニックや知名度で魅了するのではなく、生娘のような清らかな尊さに圧倒されました。いったいどのように鍛えたら64歳でこんな美しい清らかな声がでるんだろうか?どんだけ精進を積んだきたんだろうか・・想像を絶する唱声でした。しかも8/28-11月まで3か月以上ほぼ毎日公演だとか。クライマックスでサラが歌い上げた後、全員がスタンディングオーベーションでサラの奇跡を称えます。カーテンコールに3度も応え、会場は幸福の一体感で満たされ、素晴らしい瞬間に立ち合えた事に感謝感激☆ でも凄いもの見ちゃったなあ・・(笑)
2)Mr.Siriusとの出会い/星空ナイトツアー
「ここオーストラリアはダイバーシティです。ですから一番ゆっくりな人にペースを合わせてください。それと今日のツアーにはアジア4ヵ国、コーリアン、チャイニーズ、シンガポール、ジャパニーズいろいろな国の人が一緒に乗り合わせてますので、誹謗したり仲たがいすることなく、お互いをリスペクトして1日お付き合いください。このツアーが皆さんの一生の思い出に残るよう私も案内していきますのでよろしくお願いします」(※自分の国のことをこんな風に市民の一人として外個人に挨拶できる人ってなかなかいないよなあ・・)
ツアーガイドのC・Pさん(50代韓国人男性)のこのような挨拶でバスツアーはスタートしました。バスには16人の観光客(アジア4ヵ国)が乗り込んで、12:30-21:30まで約9時間半のオプショナルツアーに参加。ツアーガイドC・Pさんは運転手/ツアーガイド/写真撮影を一人でこなす優秀なガイドさんでした。英語と韓国語を交ぜながら気さくな人で誰とでもフレンドリーに接しながら、ツアーを盛上げてくれます。
★ツアー紹介:【フェザーデール動物園&ブルーマウンテン サンセット+星空ナイトツアー<簡単英語/韓国語】
➞12:30 シドニー市内出発
➞13:30 フェザーデール ワイルドライフ パーク (コアラ/ワラビー等)
➞15:00 リンカーン ロック(韓国人の人気photoスポット)
➞16:00 ルーラビレッジ(小さな村)
➞16:30 エコーポイント
➞17:00 シークレットサンセットポイント
➞18:00 カトゥーンバ タウン(夕食)
➞19:30 星空観察ポイント
➞21:30 シドニー市内で解散
趣味が星空観測と撮影ということで、C・Pさんは自称Mr.シリウスと名乗ってましたが、それはそれは、よく働く人でした。
↑フェザデール動物園でコアラやカンガルー↑
↑photoスポットとして有名な「リンカーンズロック」↑
↑ブルーマウンテンズの代表的な展望台スリーシスターズ↑
↑サンセットポイントへ移動し、美しい夕日をバックに記念撮影↑
●最後にツアーのハイライト星空観察スポットへ移動。季節は冬、快晴、新月、山頂という好条件が重なって期待していたのですが、ここが凄かった!現実視界は写真より数百倍きれいです☆
遮るものがない山頂で、バスから降りただけで真っ暗闇。見上げれば満天の星★
しばらく圧倒されて声が出ませんでした。「うわ~。きれい!」何度も溜息がもれてしまいます。ミルキーウェイが満天を覆い、その中にくっきりと南十字星やシリウスが、手を伸ばせば捉えるとらえることができそうな眩さです。なんと表現したらいいか・・、悠久の時間の中で、ちっぽけな自分の上に拡がる星々の高さ。光を受け止めている距離を想うと、存在するはずもない1個人と無限の宇宙。でも確かにその時間を共有している自分と星々。不思議。
ガイドさんが、今私たちが見ている星は、何億光年も昔の光で恐竜時代に光っている星を見ているんですよ~・・など天文学的説明を丁寧にしてくれて「シリウス」のことも話してくれました。太陽系の中で太陽と同じように自らが発輝している恒星。南半球では赤く地平線を染めると夜の帳が下りてきて、西の空に一番先に見える1等星がシリウス。このシリウスを自分のニックネームにして星空観察記録をNASAやいろんなところで発表しているそうです。天文学や星空撮影の趣味を活かして、エモーショナルにツアーガイドの仕事をしているんですね。そしてその後、ミルキーウェイを背景に持参した三脚とカメラでひとり一人の写真撮影。自分のスマホではただ漆黒の闇が映っているだけなので、彼のカメラで撮影した写真をメールで送ってくれるのでした。「snsとかどんどん使ってくれていいから」「個人が特定できないように撮ってるから大丈夫」「シャッタースピードが遅いので動かないで」とか、いろいろ気遣いをしながらみんなでスマホ照明当てたり、旅の終わりはメモリアルな思い出を作ってくれたC・Pにさんに感動を伝えてお別れしました。
「このツアーが皆さんの一生の思い出になるように♪」
ここからバスでシドニー市内まで高速道路を1.5時間運転。「シドニーに着いたら起こしますからゆっくり休んでください」1日あちこち見物してるだけで疲れるのに、ガイドさんはこれから運転して帰るわけですから大変な仕事ですね。週6日このツアーガイドをしているそうです。今日はアジア人4ヵ国の人が一緒に乗り合わせているので、緊張したそうですが、ラッキーが重なって星がこんなにクリアに見えたとエモーショナルに喜びを表現してました。シドニーに着いたのは21:30頃。「僕も家へ帰ってビールを飲んでちょっと休みたいから写真送るの遅くなるよ~」と手を振りながら別れ、その夜00時を少し過ぎた頃、写真が届きました。凄くハードな1日なのに楽しそうに星の話をしながら、誰にでも公平にエモーショナルに、よく働く人でした。
C・Pさんは、まさにシリウスのような人。南半球の一隅を照らす明るい星。メモリアルな日になって欲しい一念であんなに熱心に説明したり、記念撮影をしてくれたり、喜んだり・・その働きぶりに感動しました。なんか超人的な能力や知名度、権力、政治力を持っているのではなく、一生懸命楽しく働いている。それだけで人を感動させる力がある。
「生きてる」って、それだけで「人」に勇気を与えたりエモーショナルな気分させたりすることなんだなあ。そうでなければ生きてるっていえないのかも。Mr.Siriusとの出会いに感謝です。
これから、南方位に一番明るい星・シリウスを見つけたら、きっと彼のことを思い出すんだろうなあ。※日本ではシリウスは南空に見えるそうです。
ご迷惑も顧みず厚かましいお願いを快くサポートしていただいたオージーの皆さま、ありがとうございました。忘れられない記念旅となりました。