30cm

以前、iモードユーザー調査で、携帯電話のアラーム機能を目覚まし時計の代わりに使っている人が70%以上という調査結果があった。私もそうである。まさに携帯なくして、日常生活は成り立たない程、必需品と化した携帯端末は、腕を伸ばせそこにある30cmメディアだ。このメディアの特徴を「24時間30cm」と称している所以は、藤田氏(D2C)のこちらを参考にしていただくとして、ならば日本人の殆どが、自分の周囲30cm以内にある携帯の特性を活かして、SCの販促で活用する方法を考えてみたい。
仕事中でも就寝中でも、腕を伸ばせば届く距離、30cm以内に存在するこのメディアは、逆にいえばあらゆる情報を吸いあげる端末になり得るといえる。片手で操作できるQRコードがその窓口だ。QRコードの利用率は2006年時点の調査(「ケータイ白書2007」インタープレスR&D)で83%以上だったから、殆どの人が使っている携帯機能といえるだろう。
 30cmくらいの距離で目にする、あるいは使用する「物」に、このQRコードを掲出しておけば、消費者がすすんで情報を収集してくれることになる。モバイルのURLを直接入力するのは面倒でも、QRコードなら読み取るだけでアクセスできるから、便利で、簡単にどこからでも情報を収集できる。最近では美術館などで展示案内などに使用して話題をよんでいる。
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以前、弊社でネットを利用したPR活動を実施した際に、数種類(ポスター、DM、店置きリーフレット、手配りチラシなど)の媒体にパラメータをつけたQRコードをつけて、サイトへの誘導効果を検証したことがある。そしてPR終了時にどのメディアからアクセスした人が多かったかを調べてみると、最も近くで見る手配りチラシやリーフレットからのアクセス者がポスターなどの目立つ媒体よりも多かった。逆にいえばQRコードはポスターや懸垂幕、交通広告(別の意味でNGですが・・・)などにはむかないが、手元で見る媒体には便利で、24時間30cmメディアとしての特性を多いに発揮してくれる。
ところがSC内で、このQRコードを利用しているところが少ないのは残念だ。何故だろう?
1)モバイルサイトが充実していないから?
2)ネットを利用したPR活動と他メディアを利用した販促担当者との連携がなされていないから?
3)ネットを消費活動に利用するという経験が少ないため、どう販促に活用できるか分からない?等
理由はなんであれ、機会損失であることは間違いない。例えばあるSCの月間ホームページアクセス数が300,000ページだったとする。1日平均10,000ページだが、平均1人3ページの閲覧として、毎日3,333人の人が、すすんでホームページへアクセスしてくれることになる。毎日3,000人以上の人に、このコストパフォーマンスで多量の情報を発信できるメディアは他にないだろう。
そういう観点からSCで利用するもので、消費者が「24時間30cm」の携帯を使って情報を吸い上げてくれるメディアを探してみると、これまでにはなかった販促の手法が見えては来ないだろうか?
 例えば、ポイントカード、タグ、レシート、POP、商品パッケージ、商品カタログ、メニュー、チラシ、DM、リーフレット、フロアガイド、ポスター、PCサイト等‥、こんなにも情報発信できるメディアがSCには溢れているのだ。お客様はSCから発信される「MD情報」を求めている。「お得な情報」を求めている。仕事中に、移動中に、食事前に、食事中に、買い物中に・・・。
最後に、下記のようなQRコードの使い方を紹介してまとめとしたい。実際に2つの方法で2つのサイトにアクセスしてみてください。
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