IE6時代の終わり

IE6のシェアはいまだに多い?

マイクロソフト社製のインターネットブラウザ「インターネット・エクスプローラ(IE)」の新バージョン「インターネット・エクスプローラ8(IE8)」が、まもなく正式リリースされようとしています。現時点では、すでにベータ版がマイクロソフトのサイトからダウンロードできるようになっています。
Internet Explorer 8: ホーム ページ
今回のバージョンでは、複数ページを閲覧するのに便利なタブ機能のさらなる充実や、プライバシーやセキュリティを守るための改良が行われています。
一方、いまのところインターネットエクスプローラの最新版はバージョン7(IE7)なのですが、それ以前のバージョン6(IE6)についても依然として一定の利用者がいることが分かっています。
米国のNet Applications社の調査によると、2008年12月時点で最もシェアを持つブラウザはIE7で、全体の46.77%となっているのですが、IE6はその次に多く、20.46%となっています。その次のシェアを持つFirefox 3が17.18%ですので、ウェブブラウザ全体におけるIE6のシェアは依然としてFirefoxの最新バージョンよりも多いことがわかります(Firefox 全体でみるとシェアは21.34%なので、これよりは少ないですが)。

出典:Net Applications

嫌われるIE6

ウェブサイト制作の現場では、IE6がリリースされた00年代初頭とはサイトの制作手法や技術も大幅に変わってきています。しかしIE6が現在の十分に対応していないため、制作側はいまだ、IE6のために別のファイルや代替手段を作成しなければいけない…そんな状況が現在まで続いています。
そんな状況もあってか、海外ではIE6にお別れを告げるサイトが登場したり、ウェブサイトを閲覧すると、右上に「アナログ」と表示されるようにしよう、というジョークめいた動き(アナログテレビ放送終了のパロディですね)も出ています。
みんなで IE6 にお別れを「Dear IE6」 – japan.internet.com Webビジネス
IE6で閲覧すると。|CSS HappyLife

IE6時代の終わり

振り返ると、ウェブブラウザの世界における00年代はIE6の10年であったと言えるでしょう(振り返るにはまだ少し気が早いですが)。2001年にリリースされたIE6はWindowsOSに標準搭載され、瞬く間にシェアをひろげました。2004~2005年ごろには95%がIEブラウザであり、そのうちのほとんどがIE6だったのです。そのシェア拡大の手法は米国で独占禁止法違反に問われるほどではありましたが、ネットへのアクセスが日常的になった00年代前半には、私たちの多くが「インターネットの入口=IEのアイコン」と認識するまでになったと思います。
しかしモジラの開発したFirefoxの登場や、復活を遂げたアップル社のMacOSXに搭載されたSafariブラウザの台頭により、IEのシェアは次第に下がっていきました。前出のNet Applications社調査データでは、約95%あったと言われるIEブラウザのシェアは、2008年12月の時点で約68%まで落ち込んでいます。そう考えるとIE6のシェア20.46%という数字は、このブラウザの時代が終わったことを示しているともいえます。

最後に、IE6をお使いの方へ

とはいってもまだまだ利用者の多いIE6。これをご覧いただいている方の中でも、まだ現役で使われている方もいらっしゃるかと思います。使い慣れたウェブブラウザを乗り換えるのは使い勝手が変わることによって、最初のうちはストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。会社の規定などでウェブブラウザを自由に乗り換えられないというケースもあるかと思いますが、使い勝手だけではなく、古いブラウザを使い続けるのはセキュリティ上も好ましくないこともあります。現在まだIE6をご使用されている…という方は、なるべく上位バージョンに乗り換えたほうがよいのでは?と思いますが、いかがでしょうか?