950万台に下方修正

950万台 2008年トヨタの自動車販売計画台数が下方修正
トヨタ自動車が2008年の世界販売計画を当初計画より35万台少ない950万台に下方修正するという発表が、先月あった。
資源保有国や新興国での販売台数は増えているが、主力の日米で販売不振が予想を上回る落ち込みがその原因らしい。自動車業界は、販売不振以外にも環境規制や石油の高騰、保有台数の減少、インド・タタ社などの新興国メーカーの台頭等、どこを見ても成長要因が見当たらない。
 先月行ったローマでは、道を走る車の殆どがダウンサイズされたいわゆる日本でいう「小型自動車」だった。こうまでピッコロな車しか走っていないと、重量制限でもあるのかしらと疑ってしまうほどだ。たま~にベンツやAWを見かけると、それは過去の遺物のような違和感があり、高級車はステータスシンボルであるということ自体が時代錯誤を思わせる。
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 タクシーの運転手に「何故こんなにミニカーにみんな乗っているのか?」と質問したら「ローマは道が細くて、複雑で駐車スペースも少なく、便利だからだ」との事。勿論それがミニカー普及の大きな要因になっているだろうが、購入価格が安いのと、ガソリン代(イタリアのガソリン代はリッターあたり220円以上)や保険など維持費が安く済むことも選択の大きな理由だろう。
 もし、日本でも近い将来こんな風景が当たリ前になったら、販売台数の下方修正ではすまされない由々しき問題だ。日本では軽自動車の販売台数が増えているとはいえ、新車平均購入価格は200万円前後。これが小型自動車が主流になり、1万ルピー=25万円で買えるタタ車のような新興国メーカーが台頭してくれば、価格競争に突入せざるを得ず、マーケット規模が半分位に減少することだってあり得ない話ではないかもしれない。昨年、日産が2009年には、タタ社に対抗する低価格車を販売することを発表したのは記憶に新しい。日本経済の牽引役・自動車業界の斜陽化は、周辺業界への影響のみならず、私たち自身のライフスタイルを変えざるを得ない影響をもたらすのでしょうね。石油の価格も新興国の車需要が急増していくと、需要が増え、現在の価格が一過性のものではない事が予想される。
 米国並みのモータリゼーションが日本(特に地方)で定着したことによって成り立っている我々流通業界にも、大きな変化の波が押しよせてくることになるのだろう。
 最近、郊外型SCの駐車場稼働率が減ってきているそうだ。ヒタヒタとその波は押し寄せてきているのように思う。
さて、私たちはこの天災のような大波を乗り切る準備をしていけるのだろうか?
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