『Roc’n’Drôle』だぜ★ボン・マルシェ秋のVMD

この夏休み8年ぶりにフランスへ行ってきました。これから何回かに分けてレポートをお届けしたいと思います。

ボン・マルシェ百貨店(Le Bon Marché Rive Gauche:1852年創業、1984年~LVMH傘下。)は、世界初の老舗百貨店ですが、いつ行ってもワクワクする百貨店!パリへ行ったら必ず立ち寄り、今期はどんなVMDを展開しているのかをチェックしてきます。百貨店が不振の中でここボンマルシェだけはVMDをしっかりと展開し、好調をキープしています。

セーヌ川左岸の富裕層がメインの顧客層ですが、4割程は外国人観光客とか。

2025年8月30日〜10月19日の秋のテーマは、「Rock’n’Drôle(ロックン・ドロール)」

高級百貨店で”ロックンロール”?意外なテーマ展開でしたが、館内に入ってびっくり!エレガントで洗練されたボン・マルシェのイメージが、反骨精神や自由なエネルギーを持つロック魂と融合して、新鮮な魅力を生み出しています。まさに「驚き」と「楽しい」の連続!

VMDは、単なる商品の陳列だけではなく、オリジナル商品の製造・販売から、音楽(リフ)、ファッション、アート、珍品、インスタレーションなど、全館がアミューズメント施設のようにテーマを多角的なコンテンツ内装で表現することで、2世代、3世代と幅広い顧客層の興味を引きつけることに成功しています。日本でも昭和レトロが密かなブームになっているので、懐かしくて新しい感覚に親しみを感じます。

徹底したテーマ展開の売り場作り、どれくらい前から企画を立てて、商品開発や広告、売り場作りの準備をしているのか、2年前位から準備していないとできないように思いますが、買ってしまいますね~^^ 運営側のエモーショナルな演出に踊らされて、ショッピングは楽しい!!

オリジナルのショッピングバッグを持って歩いている人々をあちこちで見かけました。人を興奮させる圧倒的な企画力とエンターテイメント性。これがボン・マルシェが好調な秘訣。世界中から買い物客を集客する「Only One」の百貨店です★

もう一つボンマルシェで、強く印象に残ったのが、館内で憩うワンちゃんたち。リードを付けて買い物をしている人もいますが、ご主人が靴選びに時間がかかっている間もじっと待つワンちゃん。下の写真は、馴染のワンちゃんに名前で呼びかけ、店員さんがおしゃべりしてる光景です(わんちゃんはカメラ目線^^)

レストランの中でご主人さま達が食事をしている間、足元で伏しているワンちゃん。他のお客様も誰も驚かないし不満な態度を表している人もいません。これって日本では考えられない光景ですが、ここボンマルシェでは毎日見かける光景。ここが「ボンマルシェ」の素晴らしいところなんですね。お客様を信じるというメッセージが暗黙の了解であるように感じ、とても印象に残っています。

日本に戻ってからも気になって調べてみたら、公式な館内規則では「リード着用義務」を定めているそうです。それが黙認されている背景には、「優良顧客」に対する非公式な配慮(暗黙の了解)、顧客と百貨店側との高い信頼関係が維持されているということなんでしょうね。フランスならではの文化かもしれませんが、動物と人間との関係にも高い文化度を感じます。

「迷惑行為がない限り不介入」: 犬が館内で吠えたり、走ったり、商品を汚したりといった迷惑行為を一切起こしていない場合、スタッフはあえて顧客の気分を害するような行為をしない。「裁量範囲が広い接客」が実践されている。犬と人間との関係しかり。顧客と運営者との関係が良好で「自宅にいるように寛げる」ボンマルシェのブランディングに感銘を受けました。

メトロやカフェ、美術館などの公共施設でも見かけるこうした「許容範囲の広い」国の自由度が羨ましい。外国だなあと思うのはこうした光景に出会った時。また、行きたい!ボンマルシェでした。

パリ3区 マレ地区のセレクトショップ「Merci(メルシー)」

地下1階から2階の3階構造のフロアには、アパレルから書籍、日用品、インテリアまで幅広く商品が並んでいるので、世界中のメルシーファンが集います。Instaで毎日のように見ているシーズン特設コーナー。9月は夏のバカンスの名残をテーマにした海辺のシーンを構成した売り場でした。

シンプルなデザインでありながら、チャーミングなアイテムがいつも新鮮。パリジャン、パリジェンヌカップルや家族連れに「新しさ」と「楽しさ」を提供し続ける秘密は?

店内を見て回るだけでもワクワクが止まらない!

なんでこのメルシーって楽しいんだろう!ワクワクするこの空間を構成するのは・・?お客様がカッコいい!というか参考にしたいライフスタイルを実現しているようなお客様が多いのですが、店員さん達も素敵です。

左上の写真。エプロンを付けているのがスタッフです。いろいろなタイプ、国籍の店員さん達がいるので、見ているだけで楽しい、おしゃれですね~。右上の写真。ガタイのいい男性が入口に立っていますが、この人がガードマン。黒服とか防犯ユニフォームではないので、気が付かなかったのですが、お客様に声掛けしているのを見て気づきました。こういう気遣いが楽しい、リラックスする空間演出に仕掛けられていて、とてもフレンドリー♪

でなんとお隣には【Non Merci】(ノン・メルシー)というショップも。今回はサンリオ・キティショップが出店^^

Jalanese Culture「カワイイ」は世界共通語です(笑)

マリン・モンタギュー

パリ市内リュクサンブール公園近くの6区にあるライフスタイルブランド「マラン・モンタギュ」

イラストレーターであるマラン・モンタギュ氏の「パリ愛」に満ちた小世界を楽しめます。全て手描きで陶器やグラスにデザインしており、フランスだけに留まらず、アメリカ、韓国等、世界中で注目を集めている。

実用性を兼ね備えた食器は、自分用としてもギフト用としても欲しくなるアイテム揃い。エッフェル塔を描いたマグカップや、クロワッサンとコーヒーやハート型のトレイなど、キュートな陶器等お土産としても喜ばれます!

愛らしいイラストが描かれたアイテムの数々を見ていると、思わず時間を忘れてしまいます。パリ6区は、ボンマルシェの近くでもあり、「マラン・モンタギュ」の隣のジェラード屋さんや本屋さんなど等、界隈性と回遊性が心地よい広さので集合していて、散策していて楽しいエリアです。