Google アナリティクス のオーガニック検索キーワードの(not provided)が増えた原因

■not providedとは

Googleアナリティクスでは、ユーザーがどのようなキーワードで検索してサイトへ訪問したのかを見ることができますが、not providedは「サイトへ訪れたユーザーが、どの様な検索キーワードで訪れたのか不明です」という意味です。

<コマースサイトの検索キーワードの上位5>
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■なぜnot providedになるのか

Googleアカウントにログインした状態で検索をした場合に、検索ユーザーのプライバシーを守る目的でSSL通信で暗号化して検索します。SSL通信で検索した際に入力したキーワードをgoogleアナリティクスでは表示されないようになっており、これらがnot providedとしてカウントされます。
※さらに、最近では、googleアカウントにログインしていない状態でもブラウザが標準でSSLでgoogle検索を行うように仕様を変更しており、そのブラウザを利用し訪問した検索キーワードの多くがGoogleアナリティクスではnot providedと表示されるようです。

各主要ブラウザのSSL化状況について

Google Chrome:バージョン25(2013/2/21公開)~SSL化。
Firefox:バージョン14(2012/7/17公開)~SSL化。
InternetExplorer:バージョン10(2013/2/26公開)~SSL化。
Safari:iOS6.0(2012/9/19公開)~SSL化。

■7月30日ころから、(not provided)の数値に変化

下記のグラフは2013年7月1日~8月31日までのアクセスされた検索キーワードが「not provided」だけを抽出したアクセス推移です。7月30日ころから増加しているのがわかります。

<あるサイトのnot provided のアクセス推移>
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増加した要因は「iOS」からのアクセス

何が原因なのかを探るため、上記not providedアクセスの端末をOS別に見ていくとiPhoneやiPadなどに入っている「iOS」からのアクセスが急激に増加しているのがわかりました。下記グラフはnot providedアクセスをiOSからのアクセスに絞ったグラフです。

<not provided アクセスを「iOS」のみに絞った推移>
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iOSからの検索でリファラー(参照元)情報の取得できるようになった

ではなぜ、iOSからのnot providedが急に増加したのか。
下記グラフは、「google検索経由のアクセス」と「ノーリファラー(参照元なし)」の推移を「iOS」だけに絞ったものです。
※ノーリファラーについてはこちらの記事を参照してください。⇒「何が原因?「ノーリファラー(参照元なし)」の値が増える理由」

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iOSを含むスマホからのアクセスの多くは、googleなどの検索経由で訪問しても、リファラー情報を送信しない、持っていない、google側で受け取れないなどの理由で「ノーリファラー(参照元なし)」として扱われていました。

しかし、上のグラフを見ると7月30日頃から、ノーリファラー(青)が減り、google検索経由(オレンジ)のアクセスが急激に増加し、完全に逆転しています。
この時期にiOSのアップデートなどはありませんでしたのでiOS側の問題ではなく、Google側で何か変更をしたのか?ということになりますが、まだ正式な情報はないようです。
ともかく、iOSからリファラー情報が渡っているのは間違いないようですね。

not providedが増えた原因をまとめると

7月30日頃を境に、検索経由でありながら、ノーリファラー(参照元なし)と識別されていた「iOS」からのアクセスが検索経由としてカウントされるようになった。
しかし、「iOS」搭載のsafariブラウザは標準でSSL通信で検索する仕様なので、検索経由としてのアクセスにカウントされるが、そのアクセスの検索キーワードは表示されず「not provided」として扱われることが原因だとわかりました。
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今後もさらに増えていく

サイト検索がSSL通信で暗号化されプライバシーが保護されることはユーザーもためになるもので、今後も主要なブラウザがSSL対応をしていくとが予想されます。
アクセス解析する側としては、キーワードが(not provided)となるのは、消費者ニーズなどを把握しづらくなるなど、マーケティング的にも大きな問題になってくるのではと思います。