Googleアナリティクス 「「GA4」で何が変わる?」-2

ウェブサイトに欠かせないアクセス解析ツール「Google Analytics」。前回の記事では、Google Analyticsが新しくなることをご紹介しました。

GA4ではユーザーのサイトへの満足度を測るべく「エンゲージメント」という考え方が導入されたのは前回紹介した通りです。SNSでは「いいね」や「シェア」の数をその投稿によりユーザーの行動に繋がった効果としてエンゲージメントと称されていましたが、Webサイトを扱うGAにおいては、これまでのPVやユーザー数だけでなく、サイト内におけるユーザーの具体的な行動(ページ内の回遊や、コンテンツが読まれた時間など)を測定することで、サイトに対するユーザーの「エンゲージメント」度合を測ることができると期待されています。

一方、「ユーザー」「セッション」「PV」など、従来から存在していた主要な指標もGA4では概ね引き継がれていますが、GA4では従前のUAと比べ特に「ユーザー」を軸とした測定が重視されるようになっています。

GA4では、「ユーザー」が測定の軸になり、PVや閲覧時間、サイト内でのクリックなどユーザーによる操作は「イベント」としてまとめられ、更にそのユーザーのサイトに対する満足度が「エンゲージメント」として考えられています。この中でも、「ユーザー」と「エンゲージメント」に関しては指標や言葉の定義が少し複雑です。

さて今回は、GA4では測定の基本単位となり、UAとは扱い方が少し異なる指標「ユーザー」を少し深掘りしたいと思います。

ユーザー

一言で言えば「サイトを見た人の数」そのものになります。従来のUAでも「ユーザー」や「ユニークユーザー(UU)」とも呼ばれた基本の指標で、基本的な考え方はUAとGA4とで変わりはありません。(但し、UAとGA4ではその集計方法に違いがあることから、数値に誤差が出る場合はあり、一般にGA4の方が少なく出がちです。)

ただし、冒頭でも少し触れたように、GA4ではこの「ユーザー」指標の重要性が高まっています。UAではセッションに並ぶ基本的な指標のひとつといった扱われ方でしたが、GA4では指標や計測の多くがユーザーを軸としたものになっています。この違いは、両者の管理画面にも表れています。

▼UAサマリー(7/28-8/23)

「UA」のサマリー画面。ユーザーとセッションが主要な指標として掲載されます ※測定期間は7/28~8/23

▼GA4サマリー(7/28-8/23)

「GA4」のサマリー。「ユーザー」と「新規ユーザー」が大きく表示され、セッション基準の数値は表示されません。 ※上と同じく、測定期間は7/28~8/23

この「ユーザー」指標について、UAとGA4レポートではその扱われ方にも少し違いがあります。Googleは下記のように表現しています。

ユニバーサル アナリティクスでは、ほとんどのレポートで「合計ユーザー数」(「ユーザー」と表示されます)に焦点が当てられ、GA4 では「アクティブ ユーザー」(「ユーザー」とも表示されます)に焦点が当てられます。このように、どちらの場合でも「ユーザー」という用語が表示されますが、UA では「合計ユーザー数」、GA4 では、「アクティブ ユーザー」が使用されているため、UA と GA4 ではこの指標の計算が異なります。

https://support.google.com/analytics/answer/11986666?hl=ja

UAにおいて「ユーザー」は「合計ユーザー数」、つまりサイトにアクセスしたユーザー数の合計を記載されていましたが、GA4ではユーザーの中でも「アクティブユーザー」に限って焦点が当てられています。

「アクティブユーザー」とは、上の用語表でも記載しましたが、

  • 「エンゲージメントのあったセッション」を発生させた(⇒期間中に 10秒以上ページを見たか、コンバージョンイベントを発生させたか、サイト内で2ページ以上閲覧した ことがある)
  • 「first_visit」イベントを発生させた(⇒期間中初めて訪問した)
  • 「engagement_time_msec」パラメータを含むイベントを発生させた(⇒1秒以上のページ閲覧で発生します)

に該当するユーザーを指します。

UAでは全数が集計されていた一方で、GA4では「アクティブ」なユーザーに焦点を絞った解析が重視されるようになりました。単純なアクセスだけでなく、サイトの内容がユーザーの求める情報にマッチしたか、という「エンゲージメント」の観点が非常に重視されているGA4の特徴が大きく出ています。

最後に

当社「SES」導入サイトにおいては、今年の9月以降、クライアント担当者から、GA4のアクセス解析ツールも並行利用できるように準備をしております。2022年の7月からGA4数値を計測できるようにしておかないと、来年2023年になって前年比、前月比などのデータ解析ができなくないということにならないよう準備作業を進めております。GA4の事前設定費用は、保守・メンテ年ス費用内で提供していますので、別途費用はかかりません。

今回はGA4における「ユーザー」について掲載しましたが、「ユーザー」だけでも従来のアナリティクスとの違いが浮かび上がってきます。webサイトのアクセス解析は、PDCAを回す重要な指標。web活用でリアルSCへ集客強化するためにも、ミーティングを重ねお役に立てるようサポートしていきたいと思います。

次回「「GA4」で何が変わる?」テーマは「エンゲージメント」を取り上げます。