成長のKPI

やっと過ごしやすくなってきたと思ったら、ここ大伝馬町は、10月19日(木) ~ 20日(金)に開催される恵比寿講「べったら市」の準備が始まりました。社内では、ハロウィンやクリスマスの準備が進行中で、あっという間に1年!早いですね・・コマースの鈴木です。

さて、今夏「さらば、わが愛 覇王別姫」(監督:陳凱歌(チェン・カイコー)を観ました。製作から30周年、レスリー・チャンの没後20年に当たる2023年を記念して4K版が公開されています。大好きな映画監督:陳凱歌作品だから30年前にも1度観ているのですが、2度目の今回が強烈で感動の余韻が尽きません。1度目より2度目の方が感動するってあまり経験することなかったですね。

映画「覇王別姫」は、2人の京劇俳優の波乱に満ちた生きざまを描き、中国語映画として初めてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した一大叙事詩。京劇の古典「覇王別姫」を演じる2人の京劇役者の愛憎と人生を、国民党政権下の1925年から、文化大革命時代を経た70年代末までの50年にわたる激動の中国近代史とともに描いた大作。レスリー・チャンは、この作品の10年後に自殺してしまい、まるでこの役柄のまま物語が続いていたかのような錯覚を覚えた方も多いはず。他の役者さん達も見事!!ですが、この映画のヒロインはレスリー・チャン以外には考えられません。

また、陳凱歌(チェン・カイコー)という人の人生とこの映画を重ねると感慨は一層深くなるのでした。

清朝・乾隆帝の代に確立された京劇は、この「覇王別姫」が一番愛されてきた演目。四面楚歌で知られる覇王(項羽)と別姫(虞美人)の悲劇を描いたものですが、虞美人草の名前にも称されてほどの麗人。その高潔な生き方は、多民族国家・中国の秘めたる宝物のように長く愛されてきたのでしょう。そうした時代への惜別?裏切りと懺悔、望郷、悔恨・・、知れば知るほどチェン・カイコーは凄くて、怖い人!

それにしても、なんで30年前に観た時より今回は、惹かれるんだろう?何度も何だろう?何故だろう・・を反芻して、映画は同じだけれど、自分が変わったんだなと気づきました。若かったから知識も中国のことにあまり関心もなかったので、ただ映画の表層的な面しか理解できなかったからなんでしょうね。30年の間、実際に中国へ行ったり、歴史を勉強したりして経験や知識が増え理解が深くなったんだと思います。もし、体内時計に振り子がついているとしたら、年を重ねてその振り幅が大きくなったのかもしれません。

成長してるんだ、わたし・・。

年齢を重ねると記憶力や集中力が退化して心細くなるのですが、逆にものの理解が深まり、心底にあるセンサーが敏感になるのかもしれません?

長く生きてるといいことあるなあ・・。そんな自分の成長を発見できてうれしい^^

そんなことをつらつら感じる9月、わが社は上半期考課測定の真っ最中。今夏から参加している経営者の勉強会で教えてもらった松下幸之助著「実践経営哲学」(PHP文庫)をコマース必読書として皆で読んでいます。私も読むのは初めてで、とても分かり易く、読みやすく深い著書。そして考課測定の一番下の項目に、読書後の「気になったフレーズ」を記録することにしました。

私が気になったフレーズは、「単純に考えて賢明に働く」です。

みんなが印象に残ったフレーズは、

「世間が正しく、だますことはできない」

「経営理念が大切である。時代が変わってもぶれてはいけない」

「素直でいること」

「人をつくること。小さな仕事でも経営的感覚をもってできる人を育てる事と人間として立派な人を育てる」

「8割の余力、素直さ、が記憶に残った」

「経営ってどんな事か理解ができていなかったが、この本を読んで少し理解できた。何度も読んで理解を深めたい」‥等。

まだ理解不足の内容もあるので、これからも読み進めていきたいと思います。分からないことが分かるようになるって素敵☆自分にも伸びしろがあるってことだから^^

これを考課測定時に習慣化し、毎年同じ時期に同じ本を読んで、みんなの気になったフレーズを記録していこうと思います。反芻することって大事。時には立ち止まって過去の自分と比較してみる。技術評価に偏重しがちな考課測定ですが、自分で自分の成長を実感できたらいいですね。「成長のKPI」を読書後の感想を記録することで計ることできるかもしれない。

時の過ぎるのが早くて、なかなか一つのテーマをじっくり考えることが難しい時代ですが、10年、20年、30年後、同じ本を読んでいったら、自分の成長に気づくかもしれない♪みんなの成長を見守りつつ、経営者としての新しい仕事が増えました♪

【追記】

●「さらば、わが愛 覇王別姫」は絶賛上映中☆(2023.09.28時点)

角川シネマ有楽町 >https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/current.html

●陳凱歌(チェン・カイコー)作品の中で一番好きな映画「人生は琴の弦のように」も機会があったら観てください。(TSUTAYAにあるかなあ・・?)

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