話題のソウル「北村韓屋村」カフェ巡り

久しぶりに韓国へ行って来ました。コロナ禍もあって6年ぶりのソウルですが、もはやデジタル難民化していたコマースの鈴木です。

韓国は日本よりデジタル化が進んでいて、交通系も買い物も食事するにも、完全ペーパーレス社会。広告・サインはサイネージや電子端末。タクシーの運転手さんはスマホの音声検索と翻訳機能、ナビ機能を駆使して観光客を案内してくれます。以前タクシーのアジュッシー(おじさん)と片言ハングル語のやりとりが楽しかったのですが、今回はリテラシーの高いアジュッシーに圧倒されてただ、ただ感心するばかり。

一事が万事デジタル社会に慣れなくて気後れしながらの旅でしたが、日本でも話題の「北村韓屋村(プッチョン・ハノンマウル)」へ行きましたので、ご紹介いたします。

「北村韓屋村(プッチョン・ハノンマウル)」は、韓国ソウルの「景福宮(キョンボックン)」と「昌徳宮(チャンドックン)」の中間に位置するエリアで、朝鮮時代からの残る韓国の伝統建築様式・韓屋(ハノッ)が密集する歴史あるエリアです。
現在でも住んでいる人がいる高級住宅エリアに、100年以上前の古い韓国式家屋を美術館や博物館に改装して公開しています。そして路地巡りに欠かせないカフェが密集している新しい人気スポットになっています。

入り組んだ狭い路地をぶらぶらと散策しながらタイプトリップしたような感覚が味わえます!日本でも昭和レトロブームや古民家カフェ等が密かなブームですが、デジタル進行が速い韓国だからこそ尚更人気が高いのかも。古い家屋を図書館にしたり博物館に改装したり、官民一体となった観光事業が成功した例としても注目されます。伝統とモダンが共存している魅力に世界中からやってくるわけですね。「#映え」の吸引力は凄い!

クラフトショップやコスメ店、そして犬も歩けば「カフェ」に当たるという程、多種多様なカフェが林立しているので、休憩したり店巡りをしたり路地の奥へ奥へと引き込まれていきます。

注目ブランドのフラッグシップやカフェ&レストラン、新ショップも見どころ満載♪

格式の高い「北村韓屋村」の家々には現在も生活している人たちが多く暮らすエリアなので入場料はなく、観光スポットとして沢山の人がやってくるのですが、オーバーツーリズム傾向にあり、トイレや公共スペースなどを住民と行政が協力して提供しているそうです( ;∀;)

高層ビルが聳え立つソウルの一等地で、心身の疲れが取れるような静けさに包まれ、癒しの時間を提供する贅沢な「映えスポット」です。

このカフェブームの火付け役となった「cafe onion」

重厚な門をくぐると、そこはまるで竜安寺の石庭のような空間。ぼーっとしてる人がいっぱい(笑)。人気メニューPandoro(パンドーロ/5,000W)はバターをたっぷり使った星型に焼き上げられているのが特徴でこれも「#映え」に一役かっているようです。2019年3月のオープン以来、人気が衰えない同店は、いまや韓国旅には観光スポットとして日本でも人気。コーヒーも美味しかったです。

それにしても韓国の人ってこんなにコーヒー好きだった?

韓国スターバックスは新世界グループが展開。1999年に1号店が出店してから急増し、今では韓国内だけでも約1900店もあり世界4位だそうです。韓国は世界で最も急成長しているコーヒー市場の 1 つになって、世界のどの国よりもバリスタ認定者が多いとか。他にも「The Coffee Beans」など韓国資本のチェーン店も含めると、カフェが多いです。

「北村韓屋村(プッチョン・ハノンマウル)」は、そうした同質化しているコーヒー市場に伝統とモダンが融合した新しいマーケットを創ってきたんですね。コロナ禍でも手軽にスタートできるカフェ事業と外国人誘致、学歴偏重社会やビジネススピードの進化による癒しニーズがマッチして新しいマーケットが生まれてきたのではないかと思います。個性的でオリジナリティのある店舗が集積していて、どのお店のコーヒーも美味しかったです。

韓国スタバは都心から郊外や公園に大規模出店が増えているようです。下写真はソウルから車で30分ほどの北漢山スタバ。このスタバへ行くために道路が渋滞して駐車場に入るまでも大変だし、店内に入ってもすぐには座席を確保できない程繁盛しています。

行くたびに変化するソウルを定点観測していると、こんなに北村が人気になってたら、明洞や仁寺洞はどうなってる?気になりますよね。

駆け足でぐるっと見てきたら、自分が記憶している風景とは違っていたのでちょっと残念。明洞は若者が集まるトレンド発信地というより家族連れが安心して遊びに行ける場所のような風景に変わっていました。偽ブランドロゴの靴下やグッズが屋台に並ぶ商品を一度はお土産に買ってきた人も多いと思います。そういう店は見られず、夕方からフード系の屋台が営業始めますが、クリーンで静かな街になってました。仁寺洞もしかりです。

あの怪しげなごちゃごちゃ感が良かったのになあ。衛生面の配慮や3密回避のコロナ禍習慣がすっかり日常になり、デジタル化が進行されていく。自分だけが取り残されたような感傷を覚えます。日本も外国からの視点でみたらそうなんでしょう。集客も営業もできなかった3年間の爪痕は深く、1次的な回復に漫然としてはいられないです。他にもいろいろ感じるところはあるのですがまたの機会にします。

たまに定点観測は大事。行ってみないと分からない肌感で理解する時代の変化と日本の良さ。次回はもう少し遠くの国へ行けるように体力UPに頑張ろう♪