デジタル社会と「決断疲れ」

デジタル化が進んでいる韓国旅行から戻って感じる日本の良さ。デジタル化が遅れてる日本っていいなあと思いました。コマースの鈴木です。少なくとも公共機関や施設で「人」を介するサービスが現存してることにほっとします。

ダメじゃん!「ショッピングが好き。流通の現場は面白い」をデジタルで支援する会社の代表がそんなこと言ってたら!とお叱りを受けそうですが、人間社会は「ゼロ・イチ」では成立しないから、中庸を行くって感じがいいんじゃないですかね。デジタル社会ってなんでもセルフサービスでイチイチ細部に指令を出さないと完結しないから疲れるもん♪

韓国でも人手不足は深刻で、労働者不足を補うAIやデジタル活用が進行してます。殆どペーパーレス化されてて、日本が目指すDXの近未来を垣間見たからこその実感です。

それでなくとも、この頃なんかイライラすること増えたのは私だけ?

「これ下さい」といって品物と金銭を交換すれば2-3秒ですんだ買い物一つとっても、面倒になりました。

「ポイントカード持ってますか?」「ポイント使いますか?貯めますか?」「アプリ登録していますか?」「クーポンありますか?」「袋付けますか?」「お支払いは何でしますか?」「差し込み式ですか?タッチ式ですか?」‥等の質問攻めに、げんなり。

snsやメディアも増えたし、セキュリティとか詐欺対策とか、メール一つ開封するにも慎重に選択ないといけなしし・・、選択肢が多過ぎて却ってストレスは溜まるばかり。

「決断疲れ」(Wikipedia)

※意思決定 と 心理学 の分野において、意思決定を長時間繰り返した後に個人の決定の質が低下する現象を指す。

アメリカの調査で「決断力疲れ」という症状が増えているとの報告があります。選択幅が広いと消費力が減退するという事例。例えばジャムを6種類の中から選ぶのと20種類の中から選ぶのでは、6種類の中から選ぶ方が購買率は高いそうです。

この調査では無意識化の選択を含めると、人は平均1日35,000回なんらかの決断をしているという結果が報告されてます。かのS.ジョブズやM・ザッカーバーグは「決断力疲れ」で無駄なエネルギーを消耗しないように毎日同じ洋服を着ていたんだとか。トレードマークやブランド嗜好で同じファッションじゃなかったんですね。重要なことに決断力を集中するために、それ以外のことは「決断回避」してルーティン化する。「決断疲れ」の対策として業務に支障がでないようコントロール(決断回避)していたのかと妙に納得します。(心の声※いつも同じ洋服を着ている人をおしゃれじゃないと思うのはやめよう)

「決断力疲れの対策」としては、食事メニューや洋服、通勤経路などルーティン行動を習慣化して、重要な決断に集中できるようにすることだそうです。例えば、

●朝食や洋服やトレーニング、掃除・選択など等、重要としない事柄をルーティン化して意識せずに自然に行動できるレベルまで習慣化する。

●瞑想(IT企業のCEOは禅好きも集中力を維持する対策?)

●メディアの利用を中断する。メールチェック回数を減らしたり、スマホのプッシュ通知を切る等

●気分転換や運動を野外で実践する・・など。思い当たります(笑)

韓国のカフェブームも世界中で針灸など漢方治療が見直されているのも、こうした社会現象が背景にあるのかもしれません。要するに脳を休ませないとイライラが募り生活や仕事の質が下がるということが分かりました。AI活用やDX進行が進む過程では、「決断しなくていい時間を増やす=脳を休ませる」が必要なんですね。こんな気づきを参考にしながら、サービスのスイッチを掛け違わないよう、「人」にやさしい社会にしたいものです。

皆さんはどんな「決断疲れ」対策をしていますか?