ネットをSC販促に活かすためには
インターネットの特長を活かしたWebサイト運営として、CMSの導入が定着しています。
それにより専門知識がなくても、カンタン・便利にサイトが運営できる様になり、システムの機能やサービスも年々非常に精度アップしています。
しかし入れものだけ立派でも、中身がなくては何の効果ももたらせず、結果として費用対効果の低い施策となってしまいます。
【ポイントその① 新鮮な商品情報】
SCが物やサービスを売るところである以上、商品情報を届けないならホームページの役割(言い換えれば顧客ニーズ)の半分は果たしていないと言えます。
インターネットの特長=オンラインであること
刻々と移り変わるトレンド、消費者ニーズに対応するにはタイムリーでなければ情報価値は半減し、ネットの特長を活かした施策とはなりえません。
【ポイントその② 情報量(=量的満足)】
紙面の制限がなく、多くの情報を発信、さらにそれを上書きする事で更新できるのもネットの特長です。広く浅い情報ならビジュアルの美しさで紙媒体の方が勝っています。
一つ一つはとびつく様な目新しいものでなくとも、
集積で魅せる→なんかありそうの期待感→いつもチェック(習慣化)→情報到達率アップ
という結果が実際に出ています。
「バーゲン特大号開封率が35%☆リアルタイムな個店情報で勝負!」で紹介しましたが、あるSCではバーゲンメールマガジンの開封率が’08年度平均値より10%もアップしました。
それというのもメルマガでお知らせしたバーゲン特集ページは、ネット限定のバーゲン情報であり、期間中もテナントごとに詳細情報を更新するなど伝える情報を持っていたからと言えます。
この様な情報を集積して見せる時、携帯サイトで、時によりPCサイトをしのぐレスポンスを見る事があります。
あるSCでの、店舗リニューアルにあたり特典一覧を全店分公開(PC、携帯とも)したところ、モバイルメルマガからの配信後3日間のクリックは、PCからの4倍強となりました。
【ポイントその③ 費用対効果の高いメルマガ配信】
効果的なメルマガを配信する為には、以下の3つの要素が大切です。
1) は当然ですが、せっかくサイトを開設し、それを見に来ている見込み客がいる事が分かっていながら、潜在顧客を取り逃がしているSCが意外に多いのが現状です。
2) 配信頻度を上げられない理由の一つとして「流す情報がない」と言う場合も多い様です。リンク先のサイトにタイムリーな商品情報がないと、配信頻度を上げる事によりかえって迷惑メール化してしまうリスクがあります。
3) メルマガ配信は、例えばタイトルのつけ方一つとっても開封率を左右するなど、配信作業のひとつひとつにノウハウが必要です。このノウハウは毎回のメルマガごとの「配信→効果検証→配信」の一連のPDCAサイクルにより培われます。
【ポイントその④ 効果検証】
顧客のニーズを正直に教えてくれるのがアクセス件数やクリック率、サイトへの検索キーワードなどです。これらを時系列に見て行く事で、サイトのユーザビリティ向上だけでなく、ネット販促は大きく進歩したものとなります。
また、デベロッパー側では、経常販促で仕掛けたイベントなりがどの様な評価を得ているか、昨年と比較してどうだったかがはっきり検証できるツールとしてご活用頂きたいと思っています。
これら大きな4つのポイントを挙げましたが、最後に一番大事な事として、「SCサイトやメルマガを経常販促の一環として位置づけ、全体の中で活かして行く事」があります。
いくら良いサイトを作っても、「来る人だけ来て下さい」では、勿体ありません。
あるSCでは、ネット会員が5,000名以降伸び悩み頭打ちの感がありましたが、館全体のサービスとしてネット会員に特典を付与したところ、毎月1,000名単位で増え続けています。
今までは「フロアガイドをちょっと見とこう」だったユーザーに、こちらの届けたい販促情報を届けたい時にダイレクトに受け取ってもらう顧客となって頂く様、館全体で取り組む「Change!」が必要と思われます。