「バイブル from E.Isomura」をpdfで掲載
1ヶ月前から、「磯村英一都市論集III-IX日本の都市社会の未来像」(1987年著)を抜粋して当サイトに掲載しています。毎日少しづつ打ち起こした文章、読みにくいと思いますので「pdf形式」でアップしました。ご参考になれば幸いです。
IX 日本の都市社会の未来像より抜粋↓「.pdf」 (磯村 英一都市論集IIIより抜粋)
磯村先生との出会いは、この「バイブル from E.Isomura」を掲載し始める時にしるしましたので省きますが、併行して磯村先生の「私の昭和史」等複数の本を読み進める中で、
「将来を語るのは過去である。将来を予想しようと思えば、過去の出来事をくわしく調べなければならない。歴史は単に古いことの記述ではなく、未来への予測が含まれている」この言葉が忘れられない。(江戸・東京を造った人々―塚越芳太郎 東京市史稿より)
との文章が強く心に残ります。私たち、当社を取り巻く環境、弊社が事業領域としている流通・不動産業界に置き換えて、読み解くと霧が晴れて、す~っと未来が見えて来るように思いました。
以下、最も印象に残った磯村先生からのメッセージです↓
第三-都市と市民社会形成
四 移動社会とスキンシップ
しかし、人間は―あえて人類といった方がよい―その文明の根をこの地球上に下ろしたときから、今日までつづいているのは、その行為・行動を決定する最後の判断が、直接の人間関係―それをスキンシップの理論という―によるからである。
…
スキンシップとは、直接の触れ合い。それは、メカニズムを通しての活字・音声・映像・写真等ではない。直接人間の“五感”に訴える感覚である。この感覚の相乗積は、算術級数ではない。幾何級数的な増幅である。この理論は何も新しいものではない。わが国の伝統的な言葉に、
“三人寄れば文殊の知恵”がある。
三人の“賢人”-何も賢人に限ったものではなく、凡人でも同じである―が集まれば、知性の高い人にも優る結果が生まれる。世界の首脳が“一堂に会し”て談笑し、食事や娯楽を共にすると、その間に“文殊の知恵”が現れるかも知れないし、また新しい“発見・創造”もあるかも知れない。そのメリットは、どのように精巧なロボットが出現しても及ぶものではない。
…
20世紀から21世紀を予想し、確信と理想をもって磯村先生は沢山の著書を残しておられます。もし今、生きられていたらその提言が活かされず、「遺憾至極である」と発せられる声が聞こえてきそうです。それでも、磯村先生は、現代に課題を見出し、未来の理想を示されているのだろうなあと想像します。無類のタウンウァッチャーとして、都市社会学者として、都の職員として、その93年の歴史を歩まれた磯村先生の晩年にお会いできたこと。奇跡のような出会いだったと深く感謝する次第です。
最後に、会社設立記念の「地球と都市と人間」シンポジウムを主催者として協力してくれた弊社スタッフ、並びに関係者の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。